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稲場 弘樹 ヴァイス・プレジデント 法務部, 東京

ゴールドマン・サックスではありのままの自分がその能力を最大限発揮できる環境があります。

日本の金融機関、欧州系金融機関を経て、2002年4月に入社。一流の投資銀行で働くことに憧れていたものの、競争が激しく人間関係もギスギスして、生き馬の目を抜くような会社なのではないかと不安に思っていましたが、実際に入社してみると全く私の想像とは違っていて、社内の人たちはみんな仲が良く、助け合って一つの目標に向かって協力する体制にあったことには驚きました。上司が、仕事だけでなく部下のマネージにもきちんと気を配りサポートしてくれることには本当にびっくりしました。人を育てる会社だなというのが入社当初の印象です。

新しい商品やスキームを作るときのリーガルチェックや契約書のレビューを行うのが主な仕事のひとつです。他には新しい規制に対応した社内体制を整備する際の社内への助言や、業界団体との会合に出席したり、発表された規制に対してパブリックコメントを行ったり、また規制そのものについての議論にも参加したりします。ほかにもお客様との間で発生した問題解決に際しての法的アドバイスも行います。ニューヨークやロンドン、香港と相談しながら進めていく案件も多いので、海外の同僚とのコーディネーションは欠かせません。

すべての仕事はチームワークが基本。何一つとっても、私が一人ですべてできる仕事はありません。チームワークなくしては何も業務が進まないといっても過言ではありません。一つの業務やプロジェクトに関わる全員がチームに貢献しようとする。ここまでのチームワークは、これまで働いたほかの会社では見られなかったことです。

2006年に会社法の施行に伴い日本のゴールドマン・サックスが株式会社化されました。株式会社化のきっかけは新会社法の施行であったことから、このプロジェクトには議論の最初から関わりました。新しく株式会社を作って、それまでの外国証券会社から事業を譲渡するという大きなプロジェクトです。新しく会社を作るのですから、コーポレート・ガバナンスをどうするか、取締役会をどうするかから始まりました。最終的にはすべての契約関係を新会社に譲渡する手続きを行い、無事、株式会社への事業譲渡が完了しました。充実感のある仕事でした。

ワインテイスティングが趣味。食事に合わせてワインを選ぶのが楽しみです。もちろんワイン単体で味わうのも好きですが、料理と上手く組み合わせる(マリアージュ)ことによって料理もワインも単体で味わうよりもさらに味わいが広がりまた深まります。なのでワインをうまく料理に合わせてくれるレストランを開拓することも楽しみの一つです。また、料理とワインのマリアージュを求めて世界各地のレストランを食べ歩き(飛び歩き)するのも大好きです。ワインの世界は奥が深くまた齢を重ねるごとに好みも変わってくるのでいつまでたっても飽きないですね。

2015年11月からLGBTネットワークの共同代表。2015年5月にゲイであることをカミングアウトしました。それをきっかけにネットワークの様々な活動にも積極的に参加するようになりました。ゴールドマン・サックスの日本におけるLGBTネットワークは2005年に設立されて、今では当事者とサポーターを加えて180人ほどの規模になっています。もともと法務部にはMDアライ(管理職クラスのLGBT支援者)が二人いて、彼らがLGBTに対して非常にサポーティブであることをずっと見てきたので、いつか自分もカミングアウトしてその二人に喜んでいただきたいと思っていました。

LGBTの学生向けキャリアメンタリングでは、社員がボランティアとしてLGBT当事者の学生に対して就職活動のアドバイスをするのですが、私もこの活動にメンターとして参加したいと常々思っていたので、それもカミングアウトを決断した理由の一つです。クローゼットのままではとてもメンターとしてアドバイスすることはできないですからね。

偶然にも東京地裁からLGBTに関する講演依頼が私のところに来たのも5月でした。仕事上懇意にしている外部弁護士事務所の弁護士から、東京地裁が裁判官向けにLGBTに関する勉強会を開きたいので、ゴールドマン・サックスの方にスピーカーをお願いしたい、とのことで私のところに連絡がありました。もちろんその段階では私はカミングアウトしていませんでしたし、その弁護士も私がゲイであることは全く知らないはずなのに私のところに依頼が来たんです。なんだか運命を感じましたね。
会社がダイバーシティの重要性を認識していたからこそカミングアウトできた。日本では職場でカミングアウトしている人はほぼおらず、隠し続けることが一般的です。私も以前の職場では当然ゲイであることを隠してきました。ゴールドマン・サックスに勤めて10年以上になりますが、会社の取り組みがなければ、今でもクローゼットでいたのではないかと思います。

物事に対して積極的になれるようになりました。これまでは周りの顔色をうかがいながら発言することが多かったのですが、カミングアウトしてからは自分に自信がもてるようになった気がします。人が自分の話を聞いてくれるんだという意識が強く持てるようになり、会議でも自信を持って発言したり、積極的に周りの人と話が出来るようになりました。カミングアウトした後、上司や同僚たちがLGBTをサポートする活動に加わってくれたり親戚や友人にLGBTの当事者がいることを「カムアウト」してくれたりして、人との絆が深まったとも感じています。仕事はチームワークですから個人的な絆が深まると仕事の上でもモチベーションが上がります。

LGBT当事者も働きやすい環境がゴールドマン・サックスにはあります。職場でLGBTであることをオープンにするかしないかは本人の自由ですが、ゴールドマン・サックスではありのままの自分がその能力を最大限発揮できる環境があります。自分を偽ることなく思い切って働きたい人であれば、ぜひゴールドマン・サックスにチャレンジしてほしいですね。

最近はLGBTへの取り組みを行っている企業として、マスコミの取材や講演会の依頼も増えてきましたが、上司はこうした活動にも積極的に取り組むようにと勧めてくれますし、私の活動も応援してくれています。LGBTの日本での認知を高める活動を、会社全体がサポートしてくれているので、ゴールドマン・サックスで働いていて本当に良かったと思っています。

同性婚の法制化が私の目標です。先進国のほとんどでは同性婚が法制化されています。LGBT当事者への偏見や差別をなくすための大きな一歩が同性婚の法制化だと思っています。パートナーシップ条例が施行されたりして、日本でもLGBTへの理解はある程度進んできていると思いますが、さらに理解を促進して差別のない社会にしていきたいですね。当然私ひとりで達成できる目標ではありませんが、偏見のない社会を作るために自分も何らかの役割を果たせたらと思っています。