ゴールドマン・サックス「10,000Small Business(1万社の中小企業)」プログラムを発足

[ プレスリリース翻訳版]


2009年11月17日-ザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インク(NYSE: GS)は本日、総額5億ドル規模の「10,000 Small Businesses(1万社の中小企業)」プログラムを発足することを発表した。ビジネス教育の提供やメンターおよびネットワークの活用、また資金調達手段の拡充によって、全米の中小企業1万社の成長と雇用創出への道を開くことを目指す。教育、資本および支援サービスを一括して提供することが中小企業の成長を阻む障害に対処する上で最も有効である、という専門家の広く一致した見解が本プログラムの基盤となっている。概要は以下の通り。

・ ビジネスおよび経営教育:中小企業経営者が、地元のコミュニティー・カレッジや大学をはじめとする機関を通じて実務的なビジネス教育を受けられるよう、こうしたパートナー機関に2億ドルを拠出し、主に機会に恵まれない中小企業経営者への奨学金と教育基盤の整備資金とする。
・ メンタリングおよびネットワーキング:ゴールドマン・サックスの社員や、全国および地域の業界団体とのパートナーシップを通じて、中小企業経営者に対して助言、技術支援およびネットワークを提供する。
・ 資金調達手段:融資やフィランソロピー活動による支援として、コミュニティー開発金融機関(CDFI)に3億ドルを提供する。機会に恵まれない地域社会の中小企業の成長資金ニーズを満たすと同時に、中小企業向け技術支援を行うCDFIの機能を向上させる。また、プログラム修了者に対しては他の資金調達手段についてのアドバイスを提供する。
・ 諮問委員会:「10,000 Small Businesses」プログラムは、ロイド・ブランクファインCEO、ウォーレン・バフェット氏、ハーバード・ビジネス・スクールのマイケル・ポーター博士が共同委員長を務める諮問委員会によって運営される。諮問委員会はプログラムの開発、実行および評価に際しサポートを行う。

設立時の諮問委員会は共同委員長の他、以下のメンバーで構成されている。

・ ジョージ・ボッグス、全米コミュニティー・カレッジ協会会長兼CEO
・ ダン・ダナー、全米独立企業連盟会長兼CEO
・ グレン・ハバード、コロンビア大学ビジネス・スクール学長
・ ロバート・リタン、カウフマン財団調査および政策担当副理事長、ブルッキングス研究所経済学担当シニア・フェロー
・ マーク・H・モリアル、全国都市同盟会長兼CEO
・ ハビエル・パロマレス、全米ヒスパニック商工会議所(USHCC)会頭兼CEO
・ ヒラリー・ペニントン、ゲイツ財団、教育、ポストセカンダリー・サクセスおよび特別イニシアティブ担当ディレクター
・ トーマス・S・ロバートソン、ペンシルベニア大学ウォートン・スクール学長
・ レオナード・シュレジンジャー、バブソン・カレッジ学長
・ エレン・シードマン、ショア・バンク国家政策およびパートナーシップ開発担当副社長
・ デイビッド・J・スコートン、コーネル大学長
・ マーガレット・スペリングス、元教育省長官
・ トーマス・ティアニー、ブリッジスパン・グループ会長兼共同創業者


ゴールドマン・サックスのロイド・C・ブランクファイン会長兼CEO
「中小企業は米国経済における雇用創出と経済成長に欠かせない重要な役割を果たしている。パートナーと共同して、中小企業経営者、中でも機会に恵まれない地域における中小企業経営者を支援するこのイニシアティブを実施できることをとても喜ばしく思う」

バークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェットCEO
「米国の経済回復は、全米各地の勤勉な中小企業経営者が我が国に必要な雇用を創出できるかどうかにかかっている。成功に不可欠な、ノウハウと資金という2つの手段へのアクセスを拡充するこの革新的なプログラムに携われることを、私は光栄に思う」

Initiative for a Competitive Inner Cityの創設者兼CEOであり、ハーバード・ビジネス・スクール ビショップ・ウィリアム・ローレンス大学教授であるマイケル・ポーター博士
「Inner City 100の受賞企業が10年以上にわたって立証してきたことは、都市部の企業の育成が、雇用創出と地域社会の再活性化につながるということである。「10,000 Small Businesses」プログラムは、不利な環境におかれている地域社会の重要なニーズに応えるものであり、トレーニング、ツールおよびネットワークの提供を通じて、地元の起業家とそのビジネスの成長を支援し、自立的な経済機会のサイクルを生み出す助けとなるだろう」

CDFIの全米大手ネットワークであるオポチュニティ・ファイナンス・ネットワークのマーク・ピンスキー会長兼CEO
「特に現在のような状況においては、このプログラムがCDFIに提供する3億ドルはCDFIの中小企業向け融資にとって極めて大きなインパクトがある。これは、CDFIの中小企業向け融資における単独の資金提供としては最大規模である」

このプログラムに最初に参加するコミュニティー・カレッジは、ニューヨーク市クイーンズ区にあり、中小企業開発センターが併設されているラガーディア・コミュニティー・カレッジである。開講は2010年春を予定している。ゴールドマン・サックスの資金提供を受ける最初のCDFIはニューヨーク市に本社を構えるシードコ(Seedco Financial Services, Inc.)である。ニューヨーク地区での融資は2010年初頭に始まる予定である。

開発に1年近くを費やした「10,000 Small Businesses」は、ゴールドマン・サックスの「10,000 Women(1万人の女性)」をモデルにした期間5年のプログラムである。「10,000 Women」プログラムは、学術機関や非営利団体と提携して世界中の女性にビジネスや経営に関する教育を行っている。現在、18カ国で実施され、女性起業家が地元社会で雇用を創出し、経済成長を図るための支援を行っている。


 
ザ・ゴールドマン・サックス・グループ・インクは、投資銀行業務、証券業務および資産運用業務を中心に、企業、金融機関、政府機関、富裕層など多岐にわたるお客様を対象に幅広い金融サービスを提供している世界有数の金融機関です。1869年に創業、ニューヨークを本拠地として、ロンドン、フランクフルト、東京、香港およびその他の世界の主要な金融市場に拠点を擁しています。