人を動かす ー デール・カーネギー
世界的なベストセラーだと思いますが、人間関係やコミュニケーションの基本となるようなことが書かれています。リーダーシップに関心ある方にも良いかと思います。忙しい日々において、目次をパッと読み返すだけでも、色々とためになる気付きがあるのではないかと思います。
やめないよ ー 三浦 知良
日本経済新聞で連載したコラムをまとめた一冊です。「全力」で物事に取り組む姿勢や、諦めずに上を向いている限り絶対にいいことがある、など共感できる考えが多く、とにかく自分も頑張ろうという気持ちにさせてくれる一冊だと思います。
江原 直子(ゴールドマン・サックス証券株式会社マネージング・ディレクター)
ネガティブ・ケイパビリティ ― 帚木 蓬生
聞きなれない言葉かと思いますが、「ネガティブ・ケイパビリティ」とは、「どうにも答えの出ない、どうにも対処のしようがない事態に耐える能力」をさします。作家であり精神科医でもある著者は、医学論文でネガティブ・ケイパビリティという言葉を学び、「難局に直面するたび、この能力が頭をかすめ」「この言葉を思い起こすたびに、逃げ出さずにその場に居続けられた」と述べています。
人間は答えのない状況では落ち着かず、とにかく解決策を見つけようとするものです。私自身も、この本を読むまでは、どんな問題も早急に解決策を見つけようとしてきました。しかし、答えの出ない問題もたくさんあり、そういう場合はまずはその状況に耐え、「どうにもならないように見える問題も、持ちこたえていくうちに、落ち着くところに落ち着き、解決していく」と思えるようになりました。問題に直面したとき、行動を起こすだけではなく、その事態に耐えるということも選択肢だと教えてくれたとても興味深い一冊です。
モリー先生との火曜日 ― ミッチ・アルボム
これまで何度も読み返しているアメリカでベストセラーになったノンフィクションです。スポーツコラムニストとして活躍する著者が、偶然テレビで大学時代の恩師であるモリー先生が難病ALSに侵されていることを知り、16年ぶりに会いに行きます。社会学の教授だったモリー先生は著者に「人生の意味」について毎週火曜日に授業を行うことを提案します。著者は毎週火曜日にモリー先生を訪問し、二人は死、家族、感情、老い、お金など様々なことについて語り合います。モリー先生はどんどん身体が不自由になり、死に近づいていくのですが、先生に悩みを聞いて欲しいという訪問者が後を絶たず、本人は幸せそうで、最期まで自分の人生を生きようとします。生きること、死ぬこと、人生にとって大切なものとは何かを考えさせてくれる一冊です。
小菅 一郎(ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社マネージング・ディレクター)
両利きの経営 - チャールズ・A. オライリー、マイケル・L. タッシュマン
ある企業経営者の方から是非読んだ方がいいと薦められた本です。日本の企業が向き合わなければならない課題が浮き出てくるような内容でした。様々な企業の事例を交えながら、成熟事業でうまく競争しながら、同時に強みを活かして新しい事業を開拓していくことの重要性が、組織、カルチャー、リーダーシップなど様々な角度から書かれています。企業の事例では馴染みのある知られた企業が多いので、堅い内容ですがとても読みやすいと思います。株式投資、企業分析などにご興味のある方には是非読んで頂きたい本です。
海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 ー 塩野 七生
塩野七生さんの著書ですが、有名な「ローマ人の物語」と並ぶ代表作です。ヴェネツィアの景色が好きという理由から手に取りましたが、その後訪れたヴェネツィアの町は、歴史や背景を知ることで細い小道、古い建物、そしてサンマルコ広場など観光地ですら違った景色に見えました。どのようにあのような美しい島が出来上がってきたのか、水上に浮いている建物はどのような構造をしているのか、そしてアドリア海を支配する強大な国家となったヴェネツィア共和国はどのように衰退したのか、興味深く書かれています。イタリア旅行の際には是非お薦めです。
湯澤 康太(ゴールドマン・サックス証券株式会社マネージング・ディレクター)
イノベーションのジレンマ - クレイトン・クリステンセン
私が入社した2001年に手にとった本です。当時は「優良企業は、優れているがゆえに失敗する」という表現にキツネにつままれたような感覚を覚えました。あれから20余年、自動車業界を調査する仕事に従事し電気自動車の大きな荒波を目の当たりにしています。大きな技術革新に直面しながら、やらない理由/できない理由を極めて理論的に作り上げてしまうのが優良企業の一つの側面なのかもしれません。同時に私個人としても仕事や私生活で様々な変化を経験する中、固定観念に固執することなく物事を柔軟に見つめる努力は続けていかなければと考えさせられる本でもあります。きっとこれからも幾度となくこの本を読み返すことになるでしょう。
君たちはどう生きるか ー 吉野源三郎、羽賀翔一
恐らく私が中学生時代に文庫本で初めて出会ったのですが、最近漫画化されたということで息子に紹介しようと改めて読んでみました。校内の些細なトラブルで主人公コペル君の友人が殴り合いの喧嘩に巻き込まれてしまうシーンがあります。コペル君は友人を助けるために細身の体で挑もうとするのですが、結局は腰が引けてその場から逃げてしまうのでした。親友を裏切ってしまった後ろめたさから学校に通えなくなったコペル少年に対して、「正しい道に進もうとしているからこそ苦しんでいる」とこの本は説きます。そして、逃げてしまったことを後悔するのではなく、その記憶を留めておくことで次こそは正しい道に進む糧になると教えてくれるのです。原作は90年近く前に書かれているのですが、普遍的な道徳観に基づき失敗から立ち直る勇気を分かりやすく教えてくれる良書だと思います。
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