私は大学までの8年間を海外で過ごしました。当初はジェスチャーゲームのような方法でしか意思疎通を図れないもどかしさに戸惑いましたが、入学して間もなく参加した学年旅行では、せっかくの機会を存分に楽しもうと、朝から晩までとにかくあらゆることに参加しました。知り合いが一人もいなかったにもかかわらず、気がつくと旅行前と後で私を取り巻く環境が180度変化していたのです。こうした経験から、殻にこもらずに自分の知らない世界に積極的に飛び込むことで広がる人との繋がりに魅了され、さらに、その世界がチャレンジングであればあるほど興味を抱くようにもなりました。大学入学を機に帰国してからは久しぶりに日本で家族と一緒の生活を楽しみました。やはり日本での生活はとても心地良く、社会人生活は日本でスタートしようと決めましたが、それまでの経験を十分に活かせる環境で働くことを意識しました。
ゴールドマン・サックスのチャレンジングな環境は私が求めているものでした。金融の知識はほとんどありませんでしたが、インタビューを通じて出会った社員が、自分の仕事について熱く語るのを聞いているだけで、自分までもが興奮したことをよく覚えています。大変な業務を心から楽しんでいることを短時間のインタビューでも感じ、また一学生である私に目線を合わせて真摯に質問に答えてくれる姿にも驚きました。金融の知識がないことへの不安以上に、この人たちと一緒に働きたい、と強く思った事を記憶しています。困難な業務も多く、常に自分の力が試されますが、エネルギッシュでポジティブな社員と共に切磋琢磨する毎日は、とても充実しています。
会社のカルチャーが自分に合うかどうかの見極めはとても大切だと思います。私は大学で体育会に所属していたので、週6日は朝から晩まで部室で過ごしていました。インターンや説明会に参加する機会が少なかったので、面接などでは積極的に質問をして、社員の生の声を聞くように心がけました。インターネットや口コミ情報を鵜呑みにするのではなく、自分の目と耳で確かめることで気づく点は多々あると思います。
今の仕事は、レギュラトリー・オペレーションズ部で、アジア各国の監督官庁への取引・残高報告業務を担当することです。当社の取引が正確かつタイムリーに提出されているかを検証するとともに、問題が生じた際には担当業務部、テクノロジー部、コンプライアンス部、法務部などと連携し、解決策を協議します。場合によってはコンプライアンス部と共に金融庁をはじめとする監督機関と連絡をとることもあります。また、2008年の世界金融危機以降、市場の透明性を向上させるため各国で取引報告義務が見直されており、それらに関連するプロジェクトにも参加しています。ゴールドマン・サックスでは若手のうちから様々なチャンスが与えられるので、自分の意見を述べたり、アイデアを実行に移す力も磨かれます。
私の朝は社内メールに目を通し、一日のやるべき業務とそれらの優先事項を確認するところから始まります。その日の状況により仕事の優先順位は変わることもあるので、柔軟に対応することを意識しています。私の担当する店頭デリバティブの取引報告はシステムより自動的に行われますが、何らかの理由により発生する例外取引を特定し、原因を分析する事が求められます。そのため、基本的には午前中に直近の全取引を監視し、他部門との迅速な連携が必要となる業務から優先的に取り組んでいます。午後は、日常業務やプロジェクトの進捗を海外オフィスのチームと確認します。私のチームは東京と香港のメンバーで構成されているため、随時情報を共有しています。また同様の業務を担当しているニューヨーク、ダラス、ロンドンなどのチームとの電話会議がある場合は、早めに出社し早上がりをしたり、逆に遅めに出社して、夜の電話会議には会社から参加することもあります。フレクシブルで働きやすい環境が整っているので時差による影響はあまり気にならず、それ以上に他部門や海外オフィスの異なるバックグラウンドを持ったメンバーとの繋がりを常に感じることができるため、色々な刺激を受けるとともに多くの学びを感じる毎日です。
ゴールドマン・サックスは人を育てることに本当に力を入れています。実際に入社してみると、会社としても、また周りの先輩たちも、想像以上に親身に私の成長を考えていることがわかり驚きました。例えば定期的に行われるマネージャーとのミーティングでは、日常業務の相談だけでなく今後のキャリアについて話し合うことも多くあります。またチームメイトをはじめ、他部署からのフィードバックを随時受けとれるので、自分が得意とすることや伸ばせる部分と同時に、改善が必要な部分もしっかりと認識することができ、モチベーションの向上にも繋がっています。責任ある職務にプレッシャーを感じることもありますが、これまでの海外生活や体育会での経験を活かして、私が学生の時に憧れを抱いた社員の人たちに近づけるように日々努めたいと思っています。
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