木村 誠次郎

ヴァイス・プレジデント アセット・マネジメント, シンガポール
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世界で起きている様々な出来事を、市場を通じて体感できるのが この仕事の醍醐味です。

My Work 

私はゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(GSAM)のトレーディング・マーケットストラテジーチームに所属しトレーダーとして働いています。私の仕事はお客様のために運用チームが投資判断を下した様々な運用商品の売買を執行することです。対象投資商品は株式、不動産投資信託(REIT)、上場投資信託(ETF)、デリバティブ商品、外国為替など多岐に渡ります。また市場に関する情報及び相場観等も各運用チームに提供しています。

トレーディング・マーケットストラテジーチームは主にグローバル・ファンダメンタル・エクイティ・チーム及びクオンティテイティブ・インベスメント・ストラテジーチームをサポートしています。各拠点に配置された運用チームのメンバー及びトレーダーと日々連携し、チーム一丸となって協力し合う運用体制をとっています。それこそが私たちの強みであり競合相手との大きな違いであると認識しています。私はトレーディング・マーケットストラテジーチームのシンガポール拠点にて主に日本を含むアジア全体の市場をカバーしています。各運用チームの投資手法を把握し各運用スタイルに沿った売買執行を心がけています。世界で起きている様々な出来事を、市場を通じて体感できるのがこの仕事の醍醐味です。それらの出来事に対応しながら適切な投資行動をとるプロフェッショナルな運用チームのメンバーと一緒に働けることを嬉しく思っています。市場の不確実性に対処しなければならないのがこの仕事のチャレンジングなところです。ただし常に正しい判断ができる人などいないのも事実です。

売買執行に関してベストな意思決定をし、お客様にとってより有利な価格での売買執行が実現できた時はトレーダー冥利に尽きます。ポートフォリオ・マネージャーの投資手法を完全に把握し、その手法に沿った売買執行を実現し、市場が私たちの思惑通りの展開を見せた時には達成感を感じます。また私が提供したマーケット情報や相場観等によりポートフォリオ・マネージャーが投資行動を決定した場合にも充実感があります。

My Day

朝は5時前に起床し、欧州市場と米国市場など世界のマーケット動向及びニュースを確認することから私の1日は始まります。6時半までには出社しシンガポールの夜間に寄せられたニューヨーク及びロンドン拠点からの売買注文を確認します。必要であればニューヨークのトレーダー及び運用チームのメンバーに連絡し、執行方法等の詳細を確認します。東京、香港、シンガポール及びインドにある各運用チームから、様々なアジアの投資アイデアが売買注文という形でシンガポールのトレーディングデスクに結集されます。トレーダーは売買執行のプロフェッショナルですから、運用チームから特別な売買指図がない限りその当該注文を迅速かつ正確に市場動向を勘案しながら自分たちの判断で売買執行することが求められます。そのためにも運用スタイルを把握することが非常に重要です。実際の取引は午前7時前に始まり、インド、パキスタン市場が閉まる午後6時・6時半(金曜日は7時半)まで続きます。取引終了後、グローバルの各運用チーム及びトレーディングデスクに市場動向のサマリー送信しニューヨークのトレーダーに業務引き継ぎの指図をします。

このように1日のほとんどを売買執行、市場動向の分析及び情報収集に時間を費やし、各運用チーム及びトレーディングチームに最新の市場動向やニュースを提供しています。

My Path

私は日本の信託銀行でキャリアをスタートし、国内支店に11ヶ月勤務した後ディーリング・ルームに転属となり、その後、他の外資系運用会社に転職しました。特に転職の機会を探していたわけではないのですが、GSAMにポジションの空きがあるとの情報があり、面接に呼ばれました。面接が進むにつれ、ゴールドマン・サックスで働きたいと強く考えるようになりました。ゴールドマン・サックスでのポジションは確かに私にとってステップアップでしたが、より決め手になったのは新入社員からシニア・マネージャーに至るまで、チーム全員が気さくで謙虚、かつ有能な方たちだったからです。

GSAMの第一印象は、良い意味で競争が激しいということでした。運用チーム及びトレーディングチームのメンバーはお客様のために優れた運用成績を上げようと日々努力を惜しまず、チーム内外で積極的に情報共有を図っていました。この業界でゴールドマン・サックスがなぜこれほど高い評判を得ているのかを把握するのに時間がかかりませんでした。

Myself 

ゴールドマン・サックスに入社するずっと以前から、トレーダーとして長いキャリアを積みたいと考えていました。特にゴールドマン・サックスで働きたいと考えていたわけではありませんが、この会社でキャリアを高めるチャンスを与えられて、とても光栄に思っています。将来のキャリアを構築していく上で非常に有益なアドバイスを上司が与えてくれるので、自分の目標にあったキャリア・パスを描くことができます。

金融業界でのキャリアに関心がある方へのアドバイスは、新聞などの出版物を読み、この業界で起きていることを常に把握しておくということです。またこの業界で働く様々な人と話をして、できるだけ多くの質問をするのも良いでしょう。そうすればこの業界が自分に向いているかどうかが分かると思います。