日本の高校を卒業した後ロンドンに留学し、社会人類学と人間地理を専攻しました。世界各国の部族の家族構成、社会体制、経済活動、文化形態の比較研究を行い、現代社会との共通点や相違点等を人類学的観点で解釈する研究をしていました。男性が育児をして女性が狩りに出ていた部族がかつてあったりなど、今の社会が作られるまでの歴史や経緯について学ぶことがとても有意義でした。幅広い社会形態を勉強したことで、大局的に物事を捉える力と、事象をわかりやすく説明するスキルが身につき、知的好奇心を高めることができたと思います。これらはどれも今の仕事に存分に生かされていると感じています。
大学の専攻の影響もあり、発展途上国の開発に興味を持ち国際機関への就職を希望していました。ロンドンのキャリアフォーラムで国際金融公社の担当者と面接した際に「人類学的知見は重要だが、全く金融の知識がないので、まずは民間の金融グループに行って生きた金融を学んで修行した方がよい」とアドバイスを受けました。それをきっかけに外資系金融の面接をいくつか受けました。中でもゴールドマン・サックスでは金融の知識は必須ではなく、チームワークややる気など、個人のポテンシャルを重視してくれる傾向が非常に強かったため、「働くなら絶対この会社が良い」と強く思いました。
現在、私は投信営業部にて投資信託商品の開発、提案、販売のサポートに従事しています。私のお客様は国内のメガバンクグループや大手証券会社、ネット証券、外資系プライベートバンクまで多岐に渡ります。当社が開発・運用する投資信託を、お客様である販売会社を通じて、個人投資家にお届けしています。皆さんが保有している投資信託の運用を担当しているのはもしかしたら当社かもしれません。世界の中でも日本は、個人が持つ預貯金の比率が高く、資産運用ビジネスのポテンシャルは十分にあります。当社の運用ノウハウやその他の知見は、日本の個人投資家の資産運用のお役に立てると信じ、販売会社とディスカッションを重ねています。「貯蓄から投資へ」の流れはまだ道半ばですが、確実に良い方向に進んでいると実感しています。大きなダイナミズムの中で働ける喜びを日々感じています。
入社してから様々な部署で働く機会がありましたが、どの部署でもチームワークの文化が根付いているのは本当に驚きです。先輩の方々から受けたアドバイスで今でも大切にしているのは「一人一人の得意不得意を理解し、それぞれが補い合える強いチームを作ること」です。得意ではない仕事を無理して自分でやろうとするより、適切な人材に任せることでチームとしての強みを最大限に生かすことが出来ます。逆に、自分が誰かの苦手分野をカバーできるのであれば、積極的に関与して、チームとしての成績を最大化することを目指します。相手の強みや弱みを理解するためには同僚に興味を持ち、積極的にコミュニケーションを図っていくことが何より重要と考えています。人類学の研究対象は常に「人」でしたので、ここでも大学で身に着けたスキルが役に立っているのかもしれません。相手を知ることで自然と、強みに対する尊敬の念、弱みを一緒に克服しようといった気持ちが生まれ、チームワーク精神が芽生えてくると感じています。これはゴールドマン・サックスの中で最も大事な文化です。また、異なる考え方、バックグラウンド、スキルセットがあるからこそ、上手く化学反応が起きたときには、チームとしての大きな発展があると思っています。
プライベートでは、家族と過ごす時間を大切にしています。休日にしっかりリフレッシュすることで平日は仕事に打ち込めます。また、仕事以外でもとにかく色々なものに興味を持つよう、そしてそれを継続して打ち込むように意識しています。特に、音楽、料理はかれこれ30年以上続けている趣味です。平日の夜に時間が空いた時は、ずっと続けてきた剣道、ランニングや筋トレなど、週に3日以上は体を動かすことを意識しています。
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